鹿の角は愛犬のデンタルケアに良いって聞いたけど…
硬いから危険って話も聞くし…
鹿の角を与えている、与えようか迷っている飼い主さんはいませんか?
「歯が折れた」「かけらを飲み込んだ」などトラブルも耳にするし、不安に思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。
大切な家族だからこそ危険な目に遭わせたくないですよね。
結論として鹿の角は危険です!
危険な理由やデメリットは以下の4つです。
実は私も以前、愛犬のデンタルケア用に鹿の角を与えていましたが、危険性を知ってからは一切与えていません。
本記事ではチワワ2匹の飼い主であり犬の管理栄養士でもある私が、鹿の角の危険性を徹底解説し、安全な代替品を紹介します。
記事を読めば、鹿の角に関する正しい知識が身につき、愛犬に安全なアイテムを選べます。
鹿の角の代わりに安全性の高い代替品を選べば、ワンちゃんもストレスを感じません。
ちなみに、おすすめは以下のとおりです。
犬の歯に優しいアイテム比較表
特徴 | 安心素材のおもちゃ | ロープのおもちゃ | 布製おもちゃ | 柔らかいデンタルガム |
---|---|---|---|---|
商品例 | Kong | コットンロープ | ぬいぐるみ | グリニーズプラス |
cheerble 犬ボール | ロープセット | 布製ボール | PETKISSガム | |
耐久性 | 耐久性がある | やや耐久性あり | すぐに壊れる場合もあり | 耐久性なし |
目的 | 遊び ストレス解消 知育(おやつを入れるタイプ) | 歯垢除去 ストレス解消 遊び(引っ張りっこ) | 遊び ストレス解消 甘噛み防止 | 歯垢除去 口臭予防 嗜好性 |
注意点 | 硬すぎる、噛み砕き破片が出やすいものはNG 天然ゴムアレルギ注意 | 繊維がほつれて誤飲する可能性 強く引っ張りすぎると歯や顎を痛めやすい | 子犬からシニア犬まで 壊れてないか定期的にチェック | 硬すぎる、丸飲みしやすいサイズはNG アレルギーや添加物に配慮 |
おすすめ ポイント | 長時間遊べて知育になる | 引っ張りっこで歯のケア | 子犬〜シニア犬まで | 歯のケア・おやつ |
コングにドッグフードを入れて愛犬が食べている動画です。
時間がかかって早食い防止になってます!
\ 長く遊べて丸洗いもできる /
鹿の角の危険性やデメリット
鹿の角は犬にとって良いおもちゃに思えますが、実際には以下の4つの危険があります。
歯の破損やひび割れのリスク
犬は硬い骨を噛むイメージがありますが、顎の力は強くても歯は意外とデリケートです。
人間の歯を覆うエナメル質は約1〜3mmもあるのに対し犬は約0.2〜0.5mm。
犬の歯のエナメル質は人間の約5分の1程度の薄さしかありません
!
結果として、硬いものを噛むと歯が欠けたり、折れたりしやすいです。
犬の奥歯には「裂肉歯(れつにくし)」※と呼ばれる肉を引き裂くのに特化した鋭い形をした歯があります。
裂肉歯は上下の歯がハサミのように噛み合う「鋏状咬合(はさみじょうこうごう)」という構造。
※1裂肉歯(れつにくし): 犬の上顎の第4前臼歯と下顎の第1後臼歯を指す
もしあなたがハサミで硬いものを無理やり切ろうとすると、ハサミの刃が欠けてしまいますよね。
ハサミの刃が欠けるのと同じことが、犬の歯にも起こります。
歯が欠けてしまうと痛みや感染症のリスクが生じ、動物病院での治療が必要となる場合も。
以下で犬にとって危険な硬いものを、まとめました。
- 鹿の角(歯の破損、誤飲)
- 牛のヒズメ(歯の破損、消化不良)
- 牛皮(消化不良、アレルギー)
- 骨(歯の破損、消化器系の損傷)
- ヒマラヤチーズ(歯の破損)
- アキレス(丸呑み、窒息)
- 硬すぎるおもちゃ(歯の破損、誤飲)
- 硬いデンタルガム(歯の破損、消化不良)
飼い主さんは犬に与えるおやつ、おもちゃを選ぶとき、上記の硬いものは避けましょう。
誤飲による窒息や消化器系の閉塞
鹿の角を噛み砕くうちに小さな破片が生じ、犬が誤って飲み込む危険が高まります。
喉に詰まらせて窒息したり食道、胃、腸などの消化器系に詰まって閉塞を引き起こしたり。
噛んでいるうちに角が小さくなり、そのまま飲み込んでしまうケースもあります。
とくに小型犬や噛む力が強い犬は注意してください。
消化器系の閉塞は重篤な場合は手術が必要となり、命に関わる危険性もあります。
鋭利な破片による口腔や消化管の損傷
鹿の角が欠けたり割れたりした場合、破片は鋭利になります。
鋭利な破片を飲み込んでしまうと、口の中や食道、胃、腸などの消化管を傷つけてしまう危険性も。
傷口から細菌が入り、炎症や感染症を引き起こすことも考えられます。
消化管を傷つけると痛みや不快感だけでなく消化機能の低下や出血などの深刻な症状を引き起こす可能性もあります。
鹿の角などの硬いものは、すべて危険です。
消化器系の不調
鹿の角はとても硬く犬の消化酵素では、ほとんど分解できません。
鹿の角を大量に摂取すると胃腸の不調(嘔吐、下痢、食欲不振など)を引き起こします。
消化されない角の破片が腸内に長期間とどまると、腸閉塞などの重篤な疾患につながる可能性も否定できません。
鹿の角は消化しにくいためウンチの中にそのまま出てくることもあり、消化器系に大きな負担がかかります。
鹿の角のメリット
鹿の角のメリットは以下の2つです。
デンタルケア
犬が鹿の角を噛むと確かに歯垢が取れる可能性はありますが、歯の表面部分だけで効果は限定的。
歯ブラシによるブラッシングに比べれば効果は微々たるものです。
愛犬の歯の健康を考えれば、歯ブラシによるブラッシングや手で曲げられる程度の硬さのデンタルガムを使用するほうが効果的です。
ストレス解消
犬にとって噛む行為は本能的な欲求であり、ストレス解消につながるのは確か。
でも鹿の角のように硬いものである必要はなく、安全に噛ませてあげるのが重要です。
鹿の角は硬すぎるため歯を傷つけるリスクが高く、安全なストレス解消方法とは言えません。
ゴム製やロープのおもちゃなど安全な代替品で十分に噛む欲求を満たせます。
鹿の角はリスクのあるおもちゃと認識し、安全な代替品を選びましょう。
安全な代替品:ハサミで切れる硬さがポイント
愛犬の歯の健康を守るためにハサミで切れる程度の硬さ(犬が噛んでも歯に過度な負担がかからない)のおもちゃを選びましょう。
硬すぎるおもちゃは歯の破損につながり、逆に柔らかすぎるおもちゃはすぐに噛み砕いて誤飲してしまう可能性があります。
ワンちゃんの歯に優しいアイテムを表にまとめました。
犬の歯に優しいアイテム比較表
特徴 | 安心素材のおもちゃ | ロープのおもちゃ | 布製おもちゃ | 柔らかいデンタルガム |
---|---|---|---|---|
商品例 | Kong | コットンロープ | ぬいぐるみ | グリニーズプラス |
cheerble 犬ボール | ロープセット | 布製ボール | PETKISSガム | |
耐久性 | 耐久性がある | やや耐久性あり | すぐに壊れる場合もあり | 耐久性なし |
目的 | 遊び ストレス解消 知育(おやつを入れるタイプ) | 歯垢除去 ストレス解消 遊び(引っ張りっこ) | 遊び ストレス解消 甘噛み防止 | 歯垢除去 口臭予防 嗜好性 |
注意点 | 硬すぎる、噛み砕き破片が出やすいものはNG 天然ゴムアレルギ注意 | 繊維がほつれて誤飲する可能性 強く引っ張りすぎると歯や顎を痛めやすい | 子犬からシニア犬まで 壊れてないか定期的にチェック | 硬すぎる、丸飲みしやすいサイズはNG アレルギーや添加物に配慮 |
おすすめ ポイント | 長時間遊べて知育になる | 引っ張りっこで歯のケア | 子犬〜シニア犬まで | 歯のケア・おやつ |
愛犬に合ったおもちゃを選ぶためには硬さだけでなく、素材や形状、サイズも考慮するのが大切です。
小型犬には小さめのサイズ、シニア犬には柔らかめの素材を選ぶなど、愛犬の状態に合わせて選びましょう。
おすすめは以下のとおりです。
小型〜大型犬におすすめ:知育になる
コング ジャイロ
コング ジャイロは予測不能な動きで愛犬の遊び心を刺激するユニークなデザインのおもちゃ。
- 外側のリングは弾力あるエラストマー樹脂で歯に優しい
- 2サイズで小型〜大型犬に対応
- フードやおやつを入れて知育おもちゃとして楽しめる
Cheerble ボール 自動
Cheerble ボールは愛犬が夢中になる自動運転のボール型おもちゃ(各種サイズあり)。
- 天然ゴム素材で丸洗いできる
- 3つのモードでさまざまな遊び方ができる
- USB充電式で繰り返し使える
SUSWIM 犬ロープおもちゃ
SUSWIM 犬ロープおもちゃはナチュラルコットン100%で作られた愛犬に優しいおもちゃ5点セット。
- 引っ張りっこ遊びや噛み遊びに最適
- デンタルケアにも役立つ
- さまざまなサイズとカラフルなデザインで、すべての犬におすすめ
子犬〜シニア犬におすすめ:歯に優しい
ギグウィ アミーゴ ライオン
ギグウィ アミーゴ ライオンは愛犬が夢中になる、とってもキュートなライオンのぬいぐるみ型おもちゃ。
- 愛犬はたくさんのタグを噛んだり振り回したりして夢中で遊ぶ
- ぬいぐるみとタグ、2種類の異なる素材が愛犬に楽しい噛み心地
- 柔らかく軽量、小型犬やシニア犬でも遊びやすい
プラッツ サーカスボール
プラッツ サーカスボールはカラフルで愛犬の好奇心を刺激する楽しいボール型のおもちゃ。
- くわえやすい房の形に楽しい仕掛けがいっぱい
- 房の間におやつを挟んで知育おもちゃにもなる
- ボール型の形状は転がしたり投げたり、さまざまな遊び方ができる
アドメイト ナチュラルコットンロープ
アドメイト ナチュラルコットンロープは天然素材のコットンで作られた、愛犬に優しいおもちゃ。
- 丈夫な作りで引っ張りっこ遊びや噛み遊びに最適
- シンプルなデザインで、どんな犬にもおすすめ
- デンタル効果も期待できる
歯のケアにおすすめ:柔らかいデンタルガム
Greenies グリニーズ プラス
グリニーズ プラスはVOHC(米国獣医口腔衛生協議会)に認定された歯磨き専用ガム。
- 独自の形状と食感で歯垢・歯石を落とす
- アレルゲンとなりにくい原料を使用
- 噛む力の弱いワンちゃんでも安心して噛める硬さ、適度な弾力性
PETKISS 食後の歯みがきガム 無添加 やわらかタイプ
PETKISS 食後の歯みがきガムは無添加のやわらかタイプの歯磨きガム。
- ギザギザねじり形状のガムを噛むことで歯の表面の歯垢を落とす
- 噛むことで歯垢を落として口臭を軽減する効果が期待できる
- 保存料・着色料・酸化防止剤・香料不使用
デンタルガムの効果を科学的に検証するため、さまざまな研究が行われています。
トイ犬(小型犬)を対象にデンタルガムの効果を検証した研究結果を以下で 紹介します。
【トイ犬における歯肉炎、歯垢、歯石、口臭を軽減するデンタルチューの有効性の評価】
この研究の目的は、機械的および化学的特性を持つデンタルチューの2種類のトイドッグ種における臨床的有効性を判断することでした。8匹のヨークシャーテリアと9匹のチワワがクロスオーバー設計試験に参加しました。歯肉炎、歯垢、歯石、呼気中の揮発性硫黄化合物(VSC)を、それぞれ4週間と9週間後に評価しました。犬に1日1個のデンタルチューを与えた場合、チューを与えなかった場合と比較して、歯肉炎(-20%、P < .001)、歯垢の蓄積(-15%、P < .001)、歯石(-35%、P = .001)、VSC濃度(-19%、P < .001)が有意に減少しました。すべての平均歯科指標とVSC濃度に有意な犬種の影響が見られました。
引用元:Mateo A、Torre C、Crusafont J、Sallas A、Jeusette IC。トイ犬における歯肉炎、歯垢、歯石、口臭を軽減するデンタルチューの有効性の評価。獣医歯科ジャーナル。2020;37(1):22-28。doi: 10.1177/0898756420926766
デンタルチューを与えたグループは与えなかったグループに比べて歯肉炎が20%、歯垢が15%、歯石が35%、VSC(揮発性硫黄化合物)濃度※が19%とすべて減少。
※VSC(揮発性硫黄化合物)は口臭の原因物質。
研究結果からデンタルチューがトイ犬(小型犬)の歯の健康維持に役立つ可能性が示されました。
与えるときの注意点は以下のとおりです。
- すべてのデンタルガムに同じ効果があるとは限らない
- 目を離さず小さくなったら回収し、誤飲を防ぐ
- 愛犬の歯や健康状態に不安があれば獣医師に相談
愛犬の歯の健康のため毎日の歯磨きに加え、デンタルガムなどの補助的なケア用品をうまく活用しましょう。
わが家では歯磨きに加えデンタルガムを活用し愛犬の口内環境を清潔に保っていますよ。
鹿の角についてのよくある質問
鹿の角についてのよくある質問をまとめました。
まとめ:鹿の角は犬には硬すぎて危険!安全第一で与えない
鹿の角はデンタルケアやストレス解消に役立つと言われていますが、犬の歯には危険です。
鹿の角が危険な理由やデメリットは以下の4つです。
安全性を考え、私は鹿の角と硬いデンタルガムの使用をやめました!
記事で解説した危険性をしっかりと理解し、愛犬の安全を第一に考えておもちゃを選びましょう。
ワンちゃんのストレスを解消したい人には、以下の代替品がおすすめです。
犬の歯に優しいアイテム比較表
特徴 | 安心素材のおもちゃ | ロープのおもちゃ | 布製おもちゃ | 柔らかいデンタルガム |
---|---|---|---|---|
商品例 | Kong | コットンロープ | ぬいぐるみ | グリニーズプラス |
cheerble 犬ボール | ロープセット | 布製ボール | PETKISSガム | |
耐久性 | 耐久性がある | やや耐久性あり | すぐに壊れる場合もあり | 耐久性なし |
目的 | 遊び ストレス解消 知育(おやつを入れるタイプ) | 歯垢除去 ストレス解消 遊び(引っ張りっこ) | 遊び ストレス解消 甘噛み防止 | 歯垢除去 口臭予防 嗜好性 |
注意点 | 硬すぎる、噛み砕き破片が出やすいものはNG 天然ゴムアレルギ注意 | 繊維がほつれて誤飲する可能性 強く引っ張りすぎると歯や顎を痛めやすい | 子犬からシニア犬まで 壊れてないか定期的にチェック | 硬すぎる、丸飲みしやすいサイズはNG アレルギーや添加物に配慮 |
おすすめ ポイント | 長時間遊べて知育になる | 引っ張りっこで歯のケア | 子犬〜シニア犬まで | 歯のケア・おやつ |